


鮭節。それは、静岡県や高知県、鹿児島県の名産、カツオ節の鮭バージョン。 鮭特有の爽やかな旨味と甘味、後味に風味を楽しめる北海道ならではの逸品です。
『北海の恵みを無駄にしない!“ホッチャレ”で北海道の羅臼(らうす)を元気にしたい』今、札幌でブレーク寸前なのが、かつお節ならぬ“鮭節(さけぶし)”。ラーメンやスープカレーの 調味料などにも使われ、商品が続々と登場している。この鮭節を開発したのが、北海道羅臼の漁師、朝倉奉文さん57歳。
「秋鮭」が有名な羅臼地方には、産卵のためたくさんの鮭が川を上る。しかし、採卵用に捕獲された鮭は脂が抜け落ち、「クマも食べない」と言われるほど・・。誰も見向きもせず、産業廃棄物として捨てられることもある鮭=『ホッチャレ』だ。その数は毎年十数万匹にのぼる。『ホッチャレを何とか捨てずに済む方法はないか?』
朝倉は、“脂がない方が良い商品”は何かと考えた末、かつお節ならぬ鮭節の開発に取り組んだ。鮭漁師としては一流の朝倉だが、食材開発はまったくの素人。当初はベニヤ板で作った乾燥室で鮭の切り身を燻しては、試行錯誤を繰り返した。かつお節の製造法は参考にならない。煮る、蒸す、燻す・・。出来上がった鮭節は生臭い。「誰に売るのか?」と相手にされない・・・。同じ夢を追う仲間と試作を続け、開発開始から4年、ようやく“鮭節の花”が咲いた。

